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2000/09/03    

海豚 # 8.

チン道中

全く知らなかったイスラエルの文化

<1> ご挨拶

突然ですが、今どこにいると思う? 目の前には、僕の大好きなマチスがあり、左を向けばミロがあり、右を向けば、ピカソがある。隣の部屋には、ザザンヌもモネもゴッホもある。そう、ここは、僕のお部屋(だったらいいのだけど)でもなく、ビルゲイツのお部屋でもありません。そう、美術館にいます。

どこの? テルアビブ。??? テルアビブがどの国の街か即答できる人は、ぼくは、尊敬しちゃいます。まさか、自分がこんなところに来ることになるなんて、まったく想像していなかった。そう、イスラエル。今回のDolphinは、イスラエルからチン道中の実況中継です。

<2> ハエ

シシリーは、蚊が多くて日本の蚊取り線香がたかれているらしいですが、別に、イスラエルはハエが多いという話ではない。

イスラエルへは、日本からの直行便はないのでヨーロッパ経由になる。ぼくは、マイレージの都合上、アムステルダム経由でイスラエルに入った。当然、アムステルダムでは、退屈な退屈な待ち時間がある。まあ、いきおい、ビールをガブガブ呑むことになるんだな。これが。で、当然の生理現象として、おしっこへ...

男性諸氏は、必ず心当たりがあるかと思うのだが、特に酔っ払っている時などは、時々、的をはずしてしまって、周りをちょっと濡らすという粗相をしてしまい、かみさんの顰蹙をかうという事がある。おかげで、家のトイレでは、立ちション禁止令が引かれたりした事がある。(-_-;)

が、ここの空港のトイレは、絶対に的をはずさない。なぜならね、便器のほぼ中心に、ハエの絵が書いてあるのですよ。そこらじゅうに、中学生のルールのような張り紙したりするより、よっぽど、美しいし、楽しいし、効果的。男って、一度や二度は、ミミズなどに引っ掛けて遊ぶものなのだ。

いきなり、マチスの前で、きつい話から入ってしもた。

<3> No stamp please

そうして、こうして、イスラエルに着くのは、日本の家を出てから、24時間以上たった後。(酔っ払って?)朦朧としている意識の中で、イミグレーションを突破せねばならない。このとき、パスポートを渡す前に、No stamp please を必ず言わねばならない。というのは、イスラエルへの入国履歴があると、アラブ系の国には入れなくなるからである。

が、すっかり、忘れてた。ホイってパスポート渡してしもた。が、おねぇちゃんが気を利かせてくれて、スタンプを押す寸前に、手を止めて、いいの?って聞いてくれたから、助かった。

No stamp pleaseを言うとスタンプは、それ用の用紙に押してくれて、パスポートにはさんでおいてくる。これで、アラブ圏への旅行の自由は確保できた。まあ、行くつもりはないけど、イスラエルにだって行くつもりなんか、微塵もなかったんだから、一応ね。

バッテリーがなくなってきたから、いったんは、ここでお終い。続きは、Hotelに帰ってからね。

<4> 乾燥してる

その後、大好きなんだけど、まだ、本物を一度も見たことなかったフランク・ステラの巨大な作品に出会えて、鳥肌物だった。こんなところで、出会えるとは.....しんどい思いをして行った甲斐があった。早くNYへ行って彼の作品を堪能したいものだ。

美術館で、会社の友人に偶然出会い、少し観光スポットを案内してもらった。なんてついているのでしょう。その話は後ほど。

ここの気候は、カリフォルニアと似ていて、たぶん、気温はとても高いだろうけど、乾燥していて海の風が吹き抜けている。汗だくになる東京の夏の方が、よっぽど体感的に暑い。しかし、日に日に顔が黒くなってきている自分にうすうす気がついてはいるのだが....

ちらっと見たTVの天気予報では、イスラエル全土、快晴。どこも、ここも、30度以上。天気予報なんて必要のない国だ。その天気予報は、ちょうど日本の数年前の、いかにもCGで作りました。すごいでしょう。ぐりぐり回るんだよっていうような奴。

そういえば、日本の天気予報やNewsのOpeningとかのCGってやっとこなれて来たよね。で、ほとんど、10年前のアニメーションのと、変わらなくなってるのが笑える。結局、あれが、一番見やすいんだよね。イスラエルも、あと数年したらこなれてくるでしょう。

で、現地人と話していて、ここは乾燥してるから暑くても過ごし易いね。って話したら、ここ(地中海沿い)のエリアは、一番湿気ている地域なんだけどね。って笑いながら言われてしまいました。そらそうじゃ。ちょっと、内部へ入れば砂漠が広がるような国だもんね。

でも、地中海に沈む太陽を眺めながら、ビーチの沿いのレストランで呑んだくれていくのは、なかなかおつなものだ。カリフォルニアも天国に近い場所だと思いましたが、ここも天国への距離は同じぐらいかな。

<5> Business man in Israel

English man in NY って曲があったけど、ここのタクシードライバーは、この大阪商人の血が濃く流れる僕でさえ、ビビってしまうぐらい強烈なビジネスマンだ。ちゃんとタクシーには、メータがついているのだが、絶対に使わない。使えと言うと、か・な・ら・ず、どのドライバーも壊れていると言う。(-_-;) うそつけ!! でも、まあ、そんなにボラないし、一応ネゴった値段でちゃんと行ってくれる。あたりまえか?

でね。このウンちゃんたち、おしゃべり大好きなんだよね。どっから来たから始まって、あれこれあれこれ、しゃべってくる。で、いつ、帰るかをそれとなく聞き出し、その時の、空港までのブッキングをしようとするんだな。また、毎日、Officeまでの行き帰りに、タクシーを使っていたので、今日は何時に帰る?とか、明日は何時に行く? とか、しつこい、しつこい。で、降りる際には、彼の携帯の電話番号を教えてくる。当然、一級のビジネスマン、ぼくの名前は、一発で覚えてくれる。

初日、Officeからの帰りに、タクシー会社に電話して1台呼んでみた。で、同じように彼と、くだんないお喋りをして携帯の番号をもらい帰った。次の日、同様に、タクシー会社に電話して、タクシーに乗り込んだら、なにやら、無線の向こうで激怒してる、聞き覚えのある声。そうです、初日のウンちゃんが、Takuは俺の客だーーーって怒ってるのです。もう、まくし立ててます。ぼくも、その無線に入っていって、まあまあ、ごめんごめん。明日は頼むからさぁ。って、言っても、収まりません。昨日携帯の電話番号渡しただろ。どうして、電話しなかった。って.....新しいウンちゃんは、大笑いしてるし。

実はとっても仲の良い友達らしいのですが、そうでなくても、ラテン系で、おしゃべり大好きの人たちが、英語とヘブライ語ごちゃまぜで、本気になって、言い合ってるのはめちゃくちゃ、面白かった。

<6> キャッシュがない!!

普段、出張に行くときは、現金は、100ドル分を空港で換えて、あとは、全部クレジットカードで済ませるのだが、今回はタクシーを多用したために、(片道2,500円程度)あっという間に、現金がなった。でいつものようにCitibankのキャッシュカードで引き出そうとしたら、シーラス(世界最大?の銀行のネットワーク。)に加入してる銀行が見つからない!!いやぁーー。まいった。いろんなとこ行ったけど、キャッシュで困ったのは初めてだった。

じゃあ。VISAでキャッシングじゃ。でも、なにやら、エラーになる。エラーメッセージはヘブライ語。(^^ゞ 解る訳ない。そこにいたおねぇちゃんに英語に訳してもらったら、あんたのカードでは使えないというメッセージらしい。あせった。なんでじゃぁ。天下のVISAやぞ。

とりあえず、手持ちの円の現金をホテルで両替して、その日を凌いで、帰りに別の銀行へ行ってみて、やっとのことで、VISAで現金を手に入れれた。残り、数百円のとこまで来てたから、結構、マジであせった。

いまどき、こんな国もあるんだねぇ。って、再認識した。やっぱ、現生よ、げ・ん・な・ま。

<7> 1800-1600

で、今日の美術館で友人と出会ってから、ヤッフォという場所に連れて行ってもらった。聖書に出てくるような場所だ。少し歴史が書いてあるパネルを読んでみると、一番最初が、1800-1600年と書いてあります。えっ。意外と新しいのね。と思ったら、紀元前の話だった。

ギリシャ神話のペルセウスが、アンドロメダという娘が縛り付けられているのを、見つけた岩であったり、ローマ軍がどうのとか、十字軍がどうのとか、アラブ軍がどうのとか、とても悲しい歴史を背負った街であることは解ったけど、もう、どこから、どこまでが現実で、どこからが、お話なのかよくわからん様になった。

宗教も、ユダヤ教、イスラム教、キリスト教も、ローマカトリック、ギリシャ正教と入り乱れて、戦火を重ねて、幾度にわたる虐殺を経験し、やっと60年程前に、独立した国なんだよね。そら、徴兵制度があり、日本で就職したいと言っている奴の履歴書には、特技にTank Operation(戦車の運転)って書いてあったり、トモコという日本人の名前を、トマホークと聞き違えたりするはずである。(実話)

別に、何気なくビーチでくつろぐ人々と、その歴史の語る物事の違いに、実は、僕自身、まだ、混乱していて消化しきれていない。

<8> さて

あと、6時間後、深夜2時に、親友の例のタクシーがHotelに迎えに来ます。1人30分はかかるという、噂の出国のセキュリティ・チェックを突破し、日本へ向かう。はぁ。これだけ長い移動を思うと、正直、気が重い。

日本へ帰ると、また、強烈に忙しい日々が待っているので、いつ、続編が書けるかどうか解らないが、帰国編とか、食文化編などを書けたらと思っている。Surfriderさんがよく言ってるけど、非日常に自分を、落とし込むとほんと楽しいね。

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Imagine all the people living life in peace... By John Lennon
Last update: 2003/05/12