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2008/06/19    

海豚 # 207.

人の生命のゆきつくところ

たかがスープ、されどスープ

<1> クレソンのスープ

毎週、きっちり録画してみている番組の一つに、土曜日の昼間にテレビ朝日で放送している”食彩の王国”がある。数回前の放送で、クレソンを取り上げていた時に、クレソンで作ったスープの話が登場した。

由布院の玉の湯という宿で、毎朝このクレソンのスープが出るとの事。玉の湯の総料理長の山本さんは、スープ料理の修業のために、関東で開催されていた、料理研究家の辰巳芳子さんの料理教室に通いつめたとの事。

<2> 辰巳芳子さん

かつて、辰巳さんの本に出会い、インスタントな料理でとりあえず栄養を補給するのではなく、食べる事に感謝し、丁寧に丁寧に食材に向き合うことで、如何に人生が豊かになるか、食を通じて日本人が大切にしてきた文化を感じる事ができた。まぁ、もともと、僕がお酒が大好きで、食い倒れ関西人ということもあるのだが。

今夜のおかずのアイデアを貰うためのだけの、多くの料理のレシピ本ではなく、この本は、読み物として、じっくり読みきることで、きっと、あなたに多くの事を感じさせる。

cover手しおにかけた私の料理

<3> そんな辰巳さんのスープの本

”食彩の王国”でやっていたクレソンのポタージュを自分でも食べてみたいと思い、辰巳さんの本だしと思って、とても軽い気持ちでアマゾンでポチッっと購入。湯布院まで行くのは大変だし、作っちゃえぐらいのノリ。

coverあなたのために―いのちを支えるスープ

届いた本をぱらぱらと読み始めて、”いのちを支える”というサブタイトルがついている理由を理解して心が震えた。普通の食事がとれなくなった自身の父親の8年にも渡る介護を通じて、様々な食材をスープに仕立てて、いのちの灯火を繋ぎとめた経験が、非常に体系立ててスープ料理を解説するこの本のサブストーリになっていた。

以下は、前書きの一説。未だに、この一説の意味するところが、完全に咀嚼しきれていない。この言葉が腹に落ちたとき、2回目の結婚生活にチャレンジするかも。これが、料理の本の前書きだよ。

   人の生命のゆきつくところは
   愛し愛され、一つになることを願い
   それをあらわさずにはおられぬ仕組みを
   生きるところにあるとおもいます

   人間の尊厳も自由も
   お互いに愛惜せねばならぬ根源も
   ここに、見いだされてなりません

   あなたのために



This article is dedicated to my secretary who had been resigned for her happy lovely marriage. Thank you for all that you did for me and congratulations!! Sizu!!

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Last update: 2008/06/19